大河ドラマにも登場した“なた豆”

2008年、NHK大河ドラマで大ヒットとなった「篤姫」。
ご存知のように、主人公である篤姫の故郷はなた豆の産地、鹿児島です。薩摩藩島津家の分家に生まれた篤姫は、藩主である島津斉彬の養女となります。その後、より家格の高い公家・近衛家の養女になり、将軍家定の正室になりました。当時は野菜などは地産地消が基本であったでしょうから、薩摩で育った篤姫が、幼少時になた豆をはじめとする鹿児島の特産品を食する機会は多くあったと思われます。
大河ドラマ「篤姫」の時代考証を担当された鹿児島大学の原口 泉名誉教授にお話をうかがいました。
「主人公の篤姫は薩摩藩の生まれですので、ドラマでは薩摩独特の食文化を象徴する食材も描かれました。そのひとつがなた豆です。
『篤姫』では、小松帯刀(肝付尚五郎)が薩摩から初めて江戸に旅立つときに、なた豆を贈られるというシーンがありました。上へ上へと伸びたツルが、また下の方へ戻ってくることから、『旅人などの無事の帰着を祈る』という意味がこめられています。昔から地方では縁起のよいものとされ、『旅にでる時はなた豆を食え』とか『なた豆を持たせよ』との習慣があったようです。そこで小松帯刀も、なた豆を持たされたというわけです」

当時の薩摩地方の食生活は、サツマイモやなた豆などの豆類、雑穀を中心としたものでした。豆類や雑穀などが健康食材として注目されている現代からみれば、簡素であってもそれは立派な「健康食」と呼べるものであったはず。篤姫や帯刀も、幼少時からビタミンやミネラルたっぷりの食材を食べてすくすくと育ったことでしょう。

「江戸患い」で急逝した家定

一方、当時の江戸では「江戸患い」と呼ばれる脚気が富裕層を中心に流行していました。
脚気はビタミンB1不足から起こるもので、習慣的に精白米を食べるようになったことで高位の人々は脚気に悩まされました。大河ドラマでは俳優の堺 雅人さんの好演が話題となった篤姫の夫、十三代将軍・家定も脚気による心不全で35歳の若さで逝去しています。当時の物流体制では難しいことだったのでしょうが、ビタミンB1に富む薩摩特産のサツマイモやなた豆を篤姫が取り寄せて共に食していれば、家定の早逝は防げたのかも知れません。
家定の亡き後、十四代将軍となった家茂とその御台所であった和宮も脚気で若死にしています。
東京・増上寺の裏手には徳川家の霊廟があり、家茂を含む六人の将軍が埋葬されています。昭和三十年代、増上寺の改修工事にともない、将軍家の遺体や遺骨の学術調査が行われました。その結果、家茂には30本もの虫歯があり、奥歯は歯根にまで達する深い虫歯であったことがわかっています。骨格はあごの骨が華奢であったので、やわらかく甘い物を好んで食べていたのでしょう。家茂が歯槽膿漏によいといわれるなた豆を食していれば、ひどい虫歯に悩まされることもなかったのではないでしょうか。

いつの時代も日々の食物は健康と密接に関わっています。食べたいものがたやすく手に入る現代ですが、自分の身体に取り込むものは「こころざし」を込めて選びたいですね。
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